災害時の動物への対応Ⅱ

相変わらず余震が続いていますが、
みなさんいかがお過ごしでしょうか?

今回の震災で大きな打撃を受けた、東北地方は畜産の盛んな地域です。
特に岩手県はブロイラーの出荷数全国シェア15.9%(2009年)を誇る
産地です。大手ブロイラーインテグレーションは
3月20日までに23万羽を飢えと寒さにより死亡させたとの
記載もありました。(3/21日本農業新聞)

また秋田県に関する震災の報道は比較的に少ないですが、
ガソリン不足による飼料運搬が困難になり
苦しんでいる養豚農家もあると書かれていました。(3/19 読売新聞)

家畜福祉の観点からいうと、
餌不足による餓死、冬季でも暖房がないことによる
寒さによる死亡、換気不足による病気の発生など
かなり深刻な問題です。
家畜が生きるための環境を整えられないのであれば、
死ぬまで生かすのではなく、安楽死させることが
この場合適切と考えられます。

しかし生産者自らの命や生活が緊迫しているなか
「まともに生かしてやれないから」という理由で
家畜を安楽死させる判断は、
事態が発生してからではできません。
よって事前に処分方法や場所をきめておく必要があります。

それと同時に、安価な畜産物生産のために
効率や生産性を最優先した現代畜産の問題点も
浮き彫りになりました。
コスト抑制のため畜産でも大希望企業経営が主流になりつつありますが
一日の餌の量も当然ながら莫大になり
緊急時で容易に手配できる量ではなく、
多くの犠牲を出したのが前述した例です。

そんな中、飼料米を自社栽培する岩手県のある肉用鶏の養鶏場では、
飼料の運搬がストップしたさいに、備蓄していた飼料米を給与して
ほとんど死鳥を出さずに済んだそうです。
目先の利益だけでなく、いざという時のリスク管理への投資
余裕をもった生産システムによってこの危機を
乗り切れたともいえるのではないでしょうか。

これまでの輸入飼料依存や、エネルギー消費の大きい
畜産を見直し、新たな飼育システムの開発の必要性が
差し迫っています。
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by ishiinohiyoko | 2011-04-12 16:41 | 動物福祉と環境
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