韓国、有機表示の信頼性に関する問題

 2001年に韓国政府は、有機農産物の国内生産促進に関する法律を成立させた。この法律は国内の有機農産物需要増大に対応し、輸入有機農産物に対する国内産の優位を確立することを目的に策定されたものである。ただし、現在までのところ、業界観測筋は、韓国では輸入品と国内産の有機農産物についての認証や表示制度が未熟で、消費者は健康への影響や安全性に不安を抱いていると指摘する。

 現在、韓国では有機農産物は一般的に「環境に優しい農産物」と位置付けられており、4つのカテゴリーに分類されている。このうち第1レベルは100%有機農産物であり、3年以上にわたって農薬や化学肥料を全く使用していないとの認証を受けた農場で栽培された農産物である。第2レベルは「有機移行期農産物」であり、1年以上にわたって化学肥料や農薬を使用していない農場で栽培された果実や野菜のことである。第3レベルは「無農薬農産物」であり、化学肥料は使用するが農薬は使用しない農場で栽培された農産物である。第4レベルは「低農薬農産物」であり、農薬、化学肥料とも使用するが、収穫期の農薬使用を抑えた農産物である。

 現在、韓国では様々な消費者団体が、市販の有機農産物に対する政府の表示制度は不十分であるとの懸念を表明している。これらの消費者団体によると、同国の小売店ではしばしば全てのレベルの有機農産物が同列に並べられているため、消費者は自分の購入した製品が100%有機農産物でないことに気付かない場合も多いとされている。実際に2003年の韓国における「環境に優しい農産物」の生産量36万トンのうち、100%有機農産物はわずか9%に過ぎず、60%近くが第4レベルの有機農産物に分類されると国立農産物品質管理院(the National Agricultural Products Quality Management Service―NAQS)は指摘する。

 また別の業界団体は、同国に輸入される有機農産物の多くが綿密な検査を受けていない点に懸念を表明しており、韓国の有機認証制度は米国や英国の制度に比べて未熟であると述べている。一方で業界観測筋は、韓国の有機認証基準は概ね世界的に受け容れられているにもかかわらず、同国で有機認証された農産物の多くが輸出できないという問題を指摘している。

 このような国内業界の懸念を払拭し、韓国産有機農産物のイメージを変えるため、政府当局は国際有機農業運動連盟(the International Federation of Organic Agricultural Movements―IFOAM)と共同で、輸入有機農産物に対するさらに厳格な検査制度の創設と輸出用有機農産物の検査制度の改善に取り組んでいる。

(出所:農林水産省 海外農業情報
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by ishiinohiyoko | 2005-11-02 09:30 | 動物福祉と環境
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