株式会社 イシイ 動物福祉ニュース
2022-01-28T14:54:26+09:00
ishiinohiyoko
(株)イシイから畜産、動物福祉の気になるニュースをお届け
Excite Blog
農林水産省がアニマルウェルフェア意見交換会を実施
http://ishiipiyo.exblog.jp/29072047/
2022-01-28T14:54:00+09:00
2022-01-28T14:54:26+09:00
2022-01-28T14:54:26+09:00
ishiinohiyoko
動物福祉と環境
最近はコロナオミクロン株の感染力が高く
学校や保育園の休校、休園が相次ぎ、生活が変わってしまい、
対応を迫られている方々にはお見舞い申し上げます。
一日も早く収束することを祈るばかりです。
昨日、農林水産省が初めてアニマルウェルフェア意見交換会を開催し、
弊社の竹内も委員会メンバーとして参加いたしました。
生産者、流通関係者、消費者団体、外食関係者などが参加し
それぞれの立場から意見を出し合いました。
「EUなどで関心の高まっているアニマルウェルフェア」との
説明に少し違和感を感じますが
国が本格的にアニマルウェルフェアに取り組むようになり、
国内のアニマルウェルフェアへの理解がより一層
進むことが期待できます。
]]>
ウェルフェアグループがよりよい肉用鶏を市場にもたらす
http://ishiipiyo.exblog.jp/29039131/
2021-12-31T08:17:00+09:00
2022-01-25T02:48:55+09:00
2021-12-31T03:56:10+09:00
ishiinohiyoko
動物福祉と環境
日本のブロイラーの主な鶏種であるチャンキー種において生産成績は日本が世界的に見ても「よい」といわれていますがその「よい成績」とはどんなものなのでしょうか。
例えば生存率や、歩留まり(一羽からとれる正肉量)、出荷日齢の短さ、単位面積当たりの収益など経済性および効率性を極限まで求め、行きついた境地ですが北米では新たな価値観として「よい肉用鶏」が着目されています。
12月27日付で、World Poultryに興味深い記事があったのでご紹介します。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Welfare group to bring a ‘better broiler’to the marketplace
Through its Better Chicken Project, GlobalAnimal Partnership has coordinated an independent research study aimed tocreate a framework for reinventing the modern-day broiler.
ウェルフェアグループがよりよい肉用鶏を市場にもたらす
グローバルアニマルパートナーシップは、そのベターチキンプロジェクトを通じて、現代の肉用鶏を再発明するための枠組みを作成することを目的とした独立した調査研究を組織した。 北米の動物福祉基準およびラベリング組織であるGlobal Animal Partnership(以下G.A.P)は、グエルフ大学の科学者が実施した調査は「これまでで最大かつ最も包括的な学際的調査」であり、さらにこの調査には16の異なる遺伝的系統由来の7,500羽以上の肉用鶏の情報が含まれていることを報告した。
福祉の科学的評価の根拠は肉用鶏の品種に帰する 現代の肉用鶏は、効率的な成長とより高い胸肉収量のために遺伝的に選抜されている。しかし、これは肉用鶏の福祉についての懸念を引き起こしている。この問題に取り組むための最初のステップとして、この最初の学際的研究では、16の異なる系統にわたって肉用鶏の健康福祉、行動、肉質、および生産性を評価をおこなった。このようなベターチキンプロジェクトの基礎研究のフレームワークは、肉用鶏品種の福祉属性の科学的評価の根拠を形成するのに役立だった、とG.A.P.は述べている。
承認された肉用鶏の品種この研究の結果は、G.A.Pの肉用鶏評価プロトコルの開発とベターチキン適格品種の初期リストを導くために使用された。承認された肉用鶏の品種は、特定のオスとメスの種鶏の組み合わせである。G.A.Pは承認されているのは以下にリストされている特定の交配であり、個々の雌雄の種鶏系統や、逆の組み合わせではないことを忠告している。G.A.Pはこの最初のリストは完全なリストを意味するものではないとし、繁殖会社にこれらのプロトコルを使用して追加の品種をテストするためにG.A.Pにコンタクトを取るように求めている。
承認された品種 メス系統(種鶏) オス系統(種鶏) Aviagen Ranger Classic Aviagen Ranger Aviagen Classic Aviagen Ranger Gold Aviagen Ranger Aviagen Gold Aviagen Ranger Premium Aviagen Ranger Aviagen Premium Aviagen Rowan Ranger Aviagen Ranger Aviagen Rowan Cobb-Sasso 200 (CS200) Cobb 500 Sasso C441 Cooks Venture Pioneer Cooks Venture Pioneer Cooks Venture Pioneer Hubbard JA757 Hubbard JA57 Hubbard M77 Hubbard JA787 Hubbard JA87 Hubbard M77 Hubbard JACY87 Hubbard JA87 Hubbard ColorYield Hubbard REDBRO Hubbard REDBRO Hubbard M77 Hubbard Redbro M Hubbard Redbro M (mini) Hubbard Redbro
適格とみなされた肉用鶏の品種は、グループの今後の肉用鶏基準v4.0で詳述されているように、G.A.Pのプログラムは移行される。G.A.PのエグゼクティブディレクターであるAnne Malleau氏は、次のように述べている。「この調査は、私たちの考え方を確認して情報を提供し、「より良い肉用鶏」を市場にもたらためのプログラムのプロセスを作成するために必要なデータを提供した。」使用された品種(すなわち、遺伝学)を考慮することは、肯定的な動物福祉の結果を得るのに不可欠な要素であるとグループは言っており、5段階あるG.A.Pの福祉基準にも含まれている。G.A.Pプログラムの品種適格性を判断するために、証拠に基づくアプローチに切り替えたかったとしている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
上記の承認された品種を見ると日本のブロイラーを大半を占めるAviegen社(チャンキー社)のRossブランドは含まれておらず、主に日増体の低い、放牧などで使用される品種が名を連ねています。
世界的にウェルフェアレベルが低いとされる日本は今後どのような選択をするべきなのでしょうか。
]]>
ケージフリー飼育の福祉性評価は?
http://ishiipiyo.exblog.jp/28739853/
2021-07-26T10:01:00+09:00
2021-07-26T10:01:00+09:00
2021-07-26T10:01:00+09:00
ishiinohiyoko
動物福祉と環境
過ごしたいものです。 さて、最近よく平飼い卵やケージフリーの卵の話題を よく見かけますが、みなさんはいかがでしょうか。 外食チェーンのイケヤ、ホテルチェーンの ハイアット、ヒルトンなどの 外資系企業は2025年までに店舗で使用する卵を すべてケージフリーに切り替えると宣言しています。 従来型ケージ飼育の閉じ込められた悪いイメージから 「ケージフリーになった!鶏が幸せな卵ね!」と脱却し消費者受けしているのか、急速なニーズの高まりに生産が追いつくのか心配です。 現にスターバックスコーヒーは2020年までに米国、欧州、日本、中国の 2万店舗ですべてケージフリーに切り替えると宣言してきましたが HPを見る限り、サステナビリティを重視していますがケージフリーに切り替えたとの文字はありません。 今回は春季鶏病技術研修会で高瀬先生が紹介された 従来型ケージ飼育と非ケージ飼育の福祉性評価を 行った研究成果が大変興味深い内容だったのでご紹介します。
H.J.Blokhuisらの調査によると、従来型ケージ飼育、エンリッチドケージ飼育、 平飼い、放牧の4方式の飼育を比較した結果、 平飼いと放牧において、つまり非ケージ飼育は ケージ飼育と比較し、高死亡率で内部寄生虫が多く、 脚の炎症が多く、産卵率もケージ飼育に劣り、 過敏な反応を見せるとの結果でした。 加えて従来型のケージ飼育における、砂浴び行動、木止まり行動、就巣行動の 発現が制限されていることも示していました。 またブラジルの研究機関が6年間にわたり、16か国、 6040鶏群、1億7600万羽を対象に行った調査では、 別の結果が出ていました。鶏群の飼育方式内訳は 従来型ケージ飼育が3066群、エンリッチドケージ飼育が1341群、 エイビアリ―飼育が1633群で、 非ケージであるエイビアリ―群の死亡率は、調査開始当時は高かったが、 60週令までの累積死亡率は年々改善し、6年でケージ飼育群との 優位差がなくなってきた、というものでした。 つまり、ケージ飼育に比べて歴史の浅いエイビアリ―の 高い死亡率は改善の余地があり、生産者の努力により、 年々改善されたと推測できます。
これら2つの研究結果を踏まえ、日本の採卵鶏生産者は 高まるケージフリー卵需要にどう対応するのでしょうか。 非ケージシステムの高死亡率は技術的な改良により ケージシステム同等に低下させることは可能ですが 生産者はケージフリーに切り替えたはじめは 高死亡率=生産性の低下のリスクを負うことになります。 生産性が低下した分、卵価格に転嫁することを消費者は 許容するのでしょうか。 H.J.Blokhuisらの調査でも福祉性と生産性において負の要素が最も少ないのが エンリッチドケージ飼育であるとの結果でした。 従来型ケージ飼育の構造上の福祉問題を解決したものが エンリッチドケージ飼育であり、福祉性と生産性を 両立していることを、もっと消費者、顧客に情報発信する 必要があるように思います。
]]>
OIEガイドライン、採卵鶏のアニマルウェルフェアは後退か
http://ishiipiyo.exblog.jp/28706864/
2021-06-15T13:33:00+09:00
2021-07-26T09:21:51+09:00
2021-07-05T13:38:25+09:00
ishiinohiyoko
動物福祉と環境
コロナのワクチン接種が各地で進んできましたが みなさんは接種されたでしょうか。 これで本当にマスクフリーな生活ができるといいですね。一日も早くコロナは収束してほしいものです。
さて今回は、一般のテレビでも報道されるほど話題となったOIE会議での採卵鶏のアニマルウェルフェアについて決議されたことを取り上げたいと思います。予定では前回紹介した春季鶏病技術研修会での高瀬公三先生の話題提供の続きを取り上げる予定でしたが次に繰り越したいと思います。
採卵鶏は、国によって比率に違いがあるものの、 全世界的には未だに従来型ケージ飼育が多く、 行動の制限など、その福祉問題が指摘されています。 他の畜種に比べ設備の影響を直接的に受けているため、 国際的なルール作りにおいて議論が紛糾しています。
OIEガイドラインを基に日本でもアニマルウェルフェアに 対応した飼養管理指針(資料①)が作られたように、各国のAWの基礎となる 本ガイドラインは加盟国が守れる最低限の基準であり、 「アニマルウェルフェアと(各畜種の)生産システム」として 2012年から採択されてきました。 肉牛は2012年、肉用鶏は2013年、乳牛は2015年、 豚は2018年にガイドラインがすでに規定されています(資料②)。
5月末に開かれたオンラインのOIE会議では 「アニマルウェルフェアと採卵鶏生産システム」が議論され 事前委員会がまとめていた4次案がそのまま採択されるであろうと 関係者の間では推察されていました。 その内容は様々な飼育様式を認めた上で、「止まり木、砂浴び場および巣箱(ネスティングエリア)の設置が望ましい」というものです。鶏の強い行動欲求を満たすための資材の設置の必要性を訴えるものです。
3次案では止まり木などを「設置すべきだ」という文言がありましたが 設備改変=コスト増加を懸念する国からの反対意見にも考慮し、 4次案では「望ましい」という記述になっていました。 しかし、それすらも反対する国が出てきたのです。
賛成が46%、反対が35%、棄権が19%で決議に必要な3分の2の賛成が得られなかったのです。
反対した国は鶏卵の主要生産国であるメキシコ、ペルー、コロンビアの中南米の国々でした。メキシコの平均賃金はアメリカやスイス、ルクセンブルクのおよそ3.6分の1であり、その彼らにさらなる負担を強いることを批判するジャーナリストもいるようです(資料③)。
OIEガイドラインは世界のAW基準となり、 国内での採卵鶏業界に与える影響も大きいので 今後も動向を注視していきたいと思います。
参考資料:資料①公益財団法人畜産技術協会 > 資料・報告書 > アニマルウェルフェア > アニマルウェルフェアの考えに対応した飼養管理指針http://jlta.lin.gr.jp/report/animalwelfare/
資料②OIE Terrestrial Code Online Accsess > Section 7 Animal Welfare https://www.oie.int/en/what-we-do/standards/codes-and-manuals/terrestrial-code-online-access/?id=169&L=1&htmfile=titre_1.7.htm
資料③20210602The 'no to cage-free' at the OIE from some Latin Americans _ WATTPoultry.pdf
]]>
春季全国鶏病技術研修会で養鶏分野におけるAW対応が話題に
http://ishiipiyo.exblog.jp/28605081/
2021-05-19T16:29:00+09:00
2021-05-19T16:29:32+09:00
2021-05-19T16:29:32+09:00
ishiinohiyoko
動物福祉と環境
皆様いかがお過ごしでしょうか。 鳥インフルエンザは収束したように見えますが、 新型コロナ肺炎感染症は依然として感染拡大し、 緊急事態宣言の延長や各地方においても 警戒レベルをあげて対策が取られている昨今です。 今回は、春季全国鶏病技術研修会において 「養鶏分野におけるAW対応」というテーマで 鹿児島大学名誉教授の高瀬公三先生が話題提供されていたので 一部ご紹介いたします。 鳥インフルエンザや豚熱などの世界的に流行感染する 動物の疾病のコントロールや蔓延予防を目的とする OIEという国際機関があります。 OIEは動物を健康に飼育するためにはアニマルウェルフェアの 確保は重要であるとし、飼育管理や輸送・と殺などについて ガイドラインを各畜種について定めており、加盟している 197の国と地域は遵守することが求められています。 肉用鶏のアニマルウェルフェアに関するガイドラインは 2019年に更新されており、捕鳥の際に「首または翼を つかんではいけない」という文言が入っているとの報告でした。 しかし日本の養鶏生産現場では、鶏を個別に健康確認する場合や またワクチネーションを実施する場合など、 翼をつかむことが多いのが現状ではないでしょうか。 ここでいう捕鳥とは出荷時、鶏をコンテナに入れる際の 取り扱いを想定していますが、日本で使用されるコンテナは 入り口が小さく、一羽一羽入れなければならず 足を持つことで暴れて翼の骨折や損傷が発生する可能性が高く、 今の日本には不適合のように思われます。 翼をもつのであればもう少し入り口の広いコンテナに 変えるなど検討が必要と思います。 以前、アメリカで捕鳥を行う現場を見たときは以下の写真のように 複数羽の脚をもって運んでいるところを目にしました。 コンテナの入り口も大きく、日本の方式とは全く異なっていました。
写真1.「捕鳥作業員はアニマルウェルフェア技術の訓練を受けており、捕鳥中に鳥が傷ついた場合は罰金が発生する」と説明 写真2.機械による捕鳥(CMC社、イタリア) 世界的には写真1の方式や機械による捕鳥が多く(写真2) OIEのガイドラインに取り込まれたように思います。 鶏舎の間口が狭く、大型機器も入れることが難しいのが 現状ですが、少しずつ生産現場における意識改革をする 必要がありそうです。 高瀬先生の講座について、次回でも取り上げたいと思います。 参考資料: 写真1:捕鳥専門業者 Chicken Roost https://www.youtube.com/watch?v=N34PBtqBj9k 写真2:CMC社、イタリア https://poultry.cmcindustries.com/index.php ]]>
ウェイトローズはアニマルウェルフェアのアプリを開発
http://ishiipiyo.exblog.jp/28516177/
2021-03-31T15:17:00+09:00
2021-04-01T09:27:35+09:00
2021-03-31T15:17:17+09:00
ishiinohiyoko
動物福祉と環境
あったのでご紹介します。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― Waitroserolls out animal welfare app UKsupermarket Waitrose has launched an app to manageand improve opportunitiesanimals have to a good, enriching life.
イギリスのスーパーマーケットウェイトローズは 動物たちがよりよい、より豊かな生活が送る機会を、 管理および改善するためのアプリの開発に乗り出した。 ワールドファーミング(世界的動物愛護団体)ヨーロッパでの 「ベストリテーラー」賞の現在の保持者である同社は、 このアプリが英国全体の動物福祉基準のさらなる改善に つながることを望んでいる。 スコットランドの農村大学(SRUC)で開発されており、 産卵鶏、ブロイラー、乳牛、子牛、アヒル、豚など、 さまざまな種の6つのバージョンがある。 ・アプリの機能 1,800のウェイトローズ農場を訪問する訓練を受けた福祉査定者は、 この種のアプリを使用して、動物がリラクゼーション、緊張、遊び心、 不安などの行動を通じて感情を表現する方法を記録する。 動物が観察され、その特定の種のために作成された個々の 評価項目のスコアが与えられる。農家と生産者は、種の感情を 説明するための共通の評価項目を考え出すために協力している。 各評価項目には負から正のスライディングスケールがあり、 評価者は観察している動物の状態を把握できる。 スコアリングが終了すると、評価者はデータを送信する。 このデータは、他のファームからのデータに統合される。 次に作成される大きなパターンは、生活の質を評価するために 使用される。 ・厳密な調査 アプリ自体は農場で実用的で使いやすいように設計されているが、 「定性的行動評価」(QBA)として知られる厳密な科学的研究に よって支えられている。クリエーターでSRUCの主任科学者で あるフランソワーズウェメルスフェルダーは次のように述べている。
良好な身体的な健康は良好な福祉に不可欠だが、 動物が良好な生活を送るためには、楽しみ、満足、 前向きな興奮などの要素が同様に重要な役割を果たす という明確な証拠が科学および動物福祉 コミュニティ(研究者や愛護団体など)の間であります。このアプリの使用により、動物はより良い生活を送っています。家畜をさまざまな感情や前向きな経験を認知がすることができる力のある生き物として私たちが認識することが重要です。 「これはまだ開発中ですが、アプリが主要なスーパーマーケット チェーンで大規模に試用および開発されるという事実は、 業界にとって非常に重要で前向きな一歩です。」 ウェイトローズのジェームズ・ベイリー事務局長は、 小売業者が前向きな感情を表現する動物の自由の概念に 基づいた福祉措置を検討したのは初めてだと述べた。 「一部の国では、家畜は引き続き食料生産システムとして 見られ、管理されます。これは誤りであり、英国が農業基準の リーダーとしての地位を維持するためには、家畜を さまざまな感情と前向きな経験を体験できる知覚力の ある生き物として認識することが重要です。」 ・10年戦略 このプロジェクトは、ウェイトローズの新しい 10年間の農業戦略の一環である。他にも野心的な取り組みがある。 動物によりよい豊かな生活を提供し、農家に公平に支払い、 すべての原材料が責任を持って調達され、 温室効果ガスの排出を削減することを目指している。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
弊社でも鶏舎環境をモニタリングするアプリ開発を進めており、スマホにダウンロードするだけで生産者がいつでもどこでも鶏舎の状況を確認できるようになりました。これも鶏の福祉改善につながる一歩だと思います。
記事にあるような福祉性評価機能を備えるのはまだ先のことだと思いますが、いづれ日本もそれが当たり前の時代になるのではないでしょうか。
]]>
鳥インフルエンザから何を学ぶか。
http://ishiipiyo.exblog.jp/28440852/
2021-02-13T11:26:00+09:00
2021-02-13T11:34:46+09:00
2021-02-13T11:26:36+09:00
ishiinohiyoko
動物福祉と環境
採卵鶏、肉用鶏、アヒルを含めた家禽の
発生事例は47例目上り、収まる気配がありません。
2月9日時点で716万羽が感染拡大防止のために殺処分
されました。(農林水産省データより)
法律で定められているとはいえ、万が一鳥インフルエンザに
罹患した鶏の肉や卵を食べても健康被害がない
にもかかわらず、鶏たちをただ殺処分することは
生産者にとっては言葉にならないほど無念だと思います。
業界関係者の評判になるほど衛生管理を徹底していても
発生することもあるとのこと。
運悪く発生してしまった生産者の方々には
心よりお見舞い申し上げます。
これ以上の感染を食い止め、殺処分される鶏が
一羽でも減るように、衛生管理に注力していきたいものです。
さて、鶏卵といえば、価格の優等生ですが
これだけ鶏が減っているのになぜスーパーでの
価格が変わらないのか、気になったので少し調べてみました。
理由その1:そんなに減ってない
採卵鶏とブロイラーのコマーシャル鶏(親鳥を含めない)の
国内の総飼養羽数は3億2千万羽(畜産統計調査H30より)。
処分羽数は約2.2%であること。
理由その2:コロナの影響
新型コロナの影響で外食産業の需要が7-8割に減少しており、
国内流通量の約3割の業務用の需要が減っているために
その分が小売に流れていること。
(2月10日付朝日新聞デジタル)
理由その3:輸出停止の影響
鳥インフルエンザの影響によりこれまで輸出していた鶏卵が
輸出できなくなり、国内流通に回されたこと(関係者談)。
最大の輸出国は香港で2019年度は6000トンの
輸出があったが、輸出停止措置により国内へ流通。
しかし、今月に入り採卵鶏の国内飼養羽数が
全国で2番目に多い千葉県において、
鳥インフルエンザの発生が相次いだことで、
これまでの需給バランスが変化し、
市場価格が高くなる動きができているようです。
そしてもう1点、気になったのは、鳥インフルエンザにより
殺処分されているのは採卵鶏が多いことです。
国内の鶏総飼養羽数の内訳では
採卵鶏1億8440万羽、肉用鶏1億3880万羽と、
約6対4の割合なのに対して、
処分予定羽数は採卵鶏792万羽、肉用鶏83万羽と
採卵鶏は肉用鶏の約9.5倍です。
今回鳥インフルエンザが発生した農場がどのような
飼育システムを使用していたのかはわかりませんが、
一般的に考えて主流の従来型ケージシステム飼育が
多いと思います。
採卵鶏の生産農場一戸あたりの飼養羽数も多く、
大規模生産化されたことで、鶏卵の低価格は実現されてきました。
しかし今回の鳥インフルエンザの発生により
一か所に多くの鶏を収容することのリスクが明らかになりました。
法律では鳥インフルエンザが発生してから
遅滞なく殺処分することが定められていますが
県職員の方々の努力以上に処分羽数が多くて、
遅れが出ているとの報道もあります。
元農林水産大臣が大手鶏卵生産企業から賄賂を受け取り、
現在主流の従来型ケージ飼育での生産を継続できるように
国際機関(OIE)の求めるにアニマルウェルフェア対応に
反対する意向を日本が示した事件もありました。
このようなリスクを他人事としてではなく
自分事として、捉えられるかが、
現在、各々に問われているように思います。
]]>
動物福祉研究会がオンライン講座を開講
http://ishiipiyo.exblog.jp/28410822/
2021-01-23T09:39:00+09:00
2021-01-23T09:39:09+09:00
2021-01-23T09:39:09+09:00
ishiinohiyoko
動物福祉と環境
鳥インフルエンザとコロナの拡大は収まらず、 依然として行動が制限されるなか、 オンラインの講座はあらゆる分野で増えてきました。 動物福祉研究会においても、1月27日より 4週間にわたってオンライン講座が始まります。 対象の動物は、産業動物(家畜)、展示動物、伴侶動物、 実験動物、野生動物と多岐にわたり、第一線で 研究・教育活動されている講師陣のほか、 現場で活躍されている方々のお話も聞けるようです。 「動物福祉」の概念や歴史から、動物の生態、生理、 心理、動物と幸せに暮らすための方法にまで深堀して学べる、良い機会です。通常なら大学に授業料を払って初めて、聞ける内容だと思うので興味のある方はぜひ受講してみてください。
参加費は無料ですが、毎講座後に試験があり 無事修了した場合は、修了書も授与されるようです。 くわしくはこちら https://open.netlearning.co.jp/lecture/index.aspx?cid=00033J11 ■受講期間: 2021年1月27日~3月3日 ■受講料: 無料(受講料は無料ですが、通信費は利用者負担となります) ■受講方法:JMOOC公認プラットフォームOpenLearning, Japan の会員登録・受 講登録が必要です OpenLearning, Japan :https://open.netlearning.co.jp/ JMOOC : http://www.jmooc.jp/ 講座内容の詳細については、以下のウェブページからもご覧いただけます。 講座案内: https://open.netlearning.co.jp/lecture/index.aspx?cid=00033J11 プロモーションビデオ: https://www.youtube.com/watch?v=LX0seiAgl9o ]]>
中国は西欧のケージフリーに追いつく
http://ishiipiyo.exblog.jp/28345500/
2020-12-05T12:59:00+09:00
2020-12-05T12:59:21+09:00
2020-12-05T12:59:21+09:00
ishiinohiyoko
動物福祉と環境
マスクで人の顔や口元がはっきり見えず、 コミュニケーションがいつも通りできない生活にはなれたでしょうか。12月になり、年末年始の過ごし方を思案している人も 多いと思います。 マスクなしで、みんなで笑いあえる日が早く来るように 今できることを一人一人が気を付けたいですね。 さて、国内でも養鶏企業によるアニマルウェルフェアに 関連するニュースがありましたが、 中国ではケージフリーへの取り組みが始まろうと しています。 2020年12月2日World Poultryの記事をご紹介します。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 中国は西欧のケージフリーを追いつく
中国の卵部門における食品の安全性、飼育および 獣医学の知識の違いは、動物の健康と食品の基準を 改善する余地を残しているといえる。 FAIFarms(*1)の最高経営責任者であるOisteinThorsen氏は、 この秋のケージフリーチャイナサミットで、 明確に定義された全国的なケージフリー基準の 必要性に加えて、数年間のコース全体で大幅な改善プログラム、 技術ガイダンス、トレーニング、サポートが必要になると語った。
Thorsen氏は、米国から上海での会議への ビデオを介して、変化が起こっていると述べた。 「過去10年間で、ケージに入れられた雌鶏の産卵に 関連する問題に対して、一般の人々の認識と懸念が高まっています。 これらは、何百万羽もの鳥を極度に閉じ込め、最も基本的な 自然の行動を表現できない生産システムです。
グローバルブランドがそのような誓約(*2)を 行っている中国でも、現在のケージフリー生産の 割合は低いです。今後増大する需要を満たすために、 中国はその卵生産システムに重要な移行を 実施しなければならないでしょう。 これは、直接関与する人々や動物だけでなく、 その下請け企業および関連の企業など、 サプライチェーンに かなりの影響を及ぼします。」 「中国国民をより高い福祉基準の高品質で安全な食品 とケージフリー卵を結びつけること確実にするためには ケージフリー生産への移行が 生産者、消費者、鶏に真の利益を もたらすことを保証することが鍵です」と 彼は結論付けました。 品質、健康、福祉に焦点を当てた今回のサミットでは、 卵部門、政府、ブランド、NGOを代表する 幅広い専門家グループが参加し、 より活力のあるサプライチェーンを構築するための 知識と協力を共有された。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ *1:FAIFarm:イギリス、アメリカ、ブラジルに事務局をおき、 気候と食料安全保障のために農家や食品会社と協力して 活動する学際的なチーム。サービスとしては戦略的な助言、 農家・処理業者・小売店それぞれに必要なリアルタイムな データの提供、人材育成のための訓練や講義を提供する。 チームのメンバーにはIKEAマクドナルドなどがある。 *2:グローバルで包括的なケージフリー卵への シフトがあり、多くの食品会社や小売企業が 2025年までに段階的にケージ卵を サプライチェーンから除くと宣言している。 グローバル企業が中国でケージフリー卵への シフトを強化している一方で、 日本の企業は今後どう動くべきなのでしょうか。 アニマルウェルフェア対応が食品安全、 引いては食品の質と同列に国際的に考えられる ようになっている今、 日本の食は低品質といわれないように 対応したいものです。 ]]>
特色 JAS規格に国内で初めて純和鶏が認証
http://ishiipiyo.exblog.jp/28282803/
2020-10-31T10:03:00+09:00
2020-11-01T09:38:09+09:00
2020-11-01T09:37:26+09:00
ishiinohiyoko
動物福祉と環境
北海道紋別で高病性鳥インフルエンザ(N5H8亜型)が カモ類のフンから確認され、国内では2年ぶりの 発生となりました。 新型コロナウィルス肺炎の感染収束が見えない中、 さらなる感染症の脅威に晒される状況となり 人も鶏も一層の防疫強化が求められます。
さて、そんな暗い話題が多い中、 弊社が雛を供給している(株)ニチレイフレッシュの商品 純和鶏が特色J A S規格に国内の鶏肉で初めて認証されました。 詳しくはこちら https://www.nichirei.co.jp/news/2020/367.html
国内で流通している鶏肉の90%以上は海外から輸入された 鶏種を基に生産されていますが、純和鶏は国内で造成された 鶏種で、トレーサビリティーが可能です。 詳しくはこちら(家畜改良センター兵庫牧場) http://www.nlbc.go.jp/hyogo/kokusankei/jirei/tatsuno/index.html
そして何より、感染症が蔓延する現代社会において 国内鶏肉生産の基になる親鶏をいつ輸入できなくなるか 分かりません。国内での鶏肉の安定的な供給に寄与し、 国内の資源を有効に活用した純和鶏はアニマルウェルウェアにも 配慮された飼育がされています。(「アニマルウェルフェアの 考えに対応したブロイラー の飼養管理指針」に沿った飼育。) 純和鶏は飼育期間が60日以上と一般のブロイラーよりも飼育期間が 10日ほど長く、1日あたりの増体重が小さいことで 急速な成長が原因と考えられるブロイラーの足の健康性などにも 配慮していると言えます。
純和鶏を是非ご賞味ください。 ]]>
屠殺前の措置は加工処理に影響を与える
http://ishiipiyo.exblog.jp/28243729/
2020-09-26T12:47:00+09:00
2020-09-26T12:47:00+09:00
2020-09-26T12:47:00+09:00
ishiinohiyoko
動物福祉と環境
さて、今年の夏を振り返ると、、、とても暑かったですね。 「今年の夏は異常に暑い!」と毎年言っている気がしますが 地球温暖化の影響でしょうか。 このような暑さでは鶏も豚も牛も、バテてしまい摂食量が落ちたり、 熱死が出ないように暑熱対策をしたり、農場は管理が大変だと思います。 農場の管理ではないのですが、 ブロイラーの輸送時の水の噴霧と強制換気が ブロイラーの肉質を改善するという記事を見つけたのでご紹介します。 2020年9月17日World Poultryの記事です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ Pre-slaughter measures impact furtherprocessing 屠殺前の措置は加工処理に影響を与える 輸送時の(輸送かごに)拘束の状態で強制換気と同時に 水を噴霧すると、加工後の肉の品質が向上することが分かりました。 これまでの研究によると、夏に輸送されるブロイラー鶏胸肉の 保水能力、インピーダンス、および微細構造は、 飼育中の熱ストレスが減少した場合に優れていることが すでに分かっています。 急性熱ストレスは、pH、調理損失、保水力の低下など、肉の品質の低下につながる可能性のある要因の1つにすぎませんが、慢性的な熱ストレスは、骨格筋の損傷とタンパク質の 機能性の低下をもたらし、さらなる処理後の収量の 低下をもたらします。 家禽肉の冷凍/解凍 貯蔵寿命を延ばし、肉の品質を維持するために、 冷凍は最も重要で広く使用されている保存方法です。 しかし、解凍中に肉にいくつかの変化が起こり、 凍結融解による水分の損失(ドリップロス)もその1つです。 水分保持力の低下は、肉の種類と凍結速度の影響を受けます。 水噴霧冷却と強制換気 生きている鳥の熱ストレスはブロイラーの福祉と 経済の問題であり、輸送後の食肉処理場での保管期間中に 水噴霧と強制換気を使用することで制御できます。 これは、暑い夏の条件で多くの国で適用されます ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 日本の食鳥処理場では待機場に大型ファンやミストがついている ところが多くありますが、強制換気ではなく 空気を循環させているイメージがあります。 肉の品質低下が見られた場合は、今後の酷暑に向けて 対策を取る場合の参考になれば幸いです。 https://www.poultryworld.net/Meat/Articles/2020/9/Pre-slaughter-measures-impact-further-processing-642203E/
]]>
八ヶ岳農業大学校で採卵鶏の高福祉飼育法の実験開始
http://ishiipiyo.exblog.jp/28215956/
2020-08-31T12:40:00+09:00
2020-08-31T12:40:18+09:00
2020-08-31T12:40:18+09:00
ishiinohiyoko
動物福祉と環境
年々暑くなる夏にうんざりですが、 熱中症対策をしっかりしながらのりきましょう。
前回のブログで、鶏が自由に行動できる平飼いは 高福祉で、消費者のニーズも高まっていますが 生産工程において手間がかかるため、企業養鶏ではなく 個人や家族経営などの小規模であれば実現する可能性が 高いとの話題に触れました。
平飼い及びエンリッチドケージの有用性を検討した実験は海外では多くありますが、国内では研究事例が少なく、アニマルウェルフェアの普及に公的に取り組む公益財団法人畜産技術協会が発行している「アニマルウェルフェアの考えに対応した採卵鶏の飼養管理指針第4版」でもそれぞれの飼育方法について平飼いでは個体管理及び衛生面、エンリッチドケージでは闘争行動の増加及び生産性との関係について「研究の余地がある」としています。
そして、近々八ヶ岳農場大学校において、採卵鶏の平飼い、 エンリッチドケージ、放牧の実験が開始されることがわかりました。 世界で一番高い福祉レベルの養鶏を目指しており、小規模生産者が実践を学べる場としても期待されます。
実験では鶏舎の中で採卵鶏はケージいれず、止まり木や巣箱などを設置して 飼育する平飼いと、エンリッチドケージ(詳しくは前回のブログで)に 入れて飼育する方法と、主に屋外で放牧し餌、水、巣箱などの必要な 資材はトレーラー型鶏舎にあり、鶏が自由に外と 中を行き来でてき、放牧地が傷んだら、 場所を変えることができるトレーラー型鶏舎による放牧飼育。 トレーラー型鶏舎がコロナや商品不備の関係で輸入が遅れて いますが、導入できれば国内初の試みになるとのことです。
どんな実験結果が出るのか今から楽しみです。
]]>
平飼い卵だけが動物福祉(A W)卵?
http://ishiipiyo.exblog.jp/28183118/
2020-07-31T08:30:00+09:00
2020-08-24T09:10:21+09:00
2020-07-31T04:52:31+09:00
ishiinohiyoko
動物福祉と環境
お盆を前に気の抜けない日々が続いていますね。 加えて、熊本県や山形県での大雨被害も甚大です。 被害に遭われた方々におかれましては、 お見舞い申しあげるとともに、1日も早く 復旧が進むことを祈っております。
さて最近、職業柄のせいかも知れませんが「平飼い卵」 や「ケージフリー卵」という言葉をよく目にしますが 皆さんはいかがでしょうか。
イオンがプライベートブランドで平飼い卵の販売を開始した ことは業界に大きな影響を与えそうです。
日本国内でアニマルウェルフェアの普及活動を行っている
HOPE for ANIMALsのH Pによると 57の企業がケージフリー卵(*)に 移行すると宣言しています。 https://www.hopeforanimals.org/eggs/cage-free-companies-in-japan/
その内訳は外資系の外食およびホテル、小売店と 個人経営されている菓子店や平飼い卵を売りとして 卵生産から加工商品の販売まで行っている企業、 有機農業などの安全な商品のみをこだわりをもって 取り扱う小売店などです。 その中で気になったのが、ケージフリー卵に 移行できている企業が未だ36/57件という点です。その多くが外食で、卵の仕入れ先が固定されていて、 規模も小さく、量がそれほど多くないから移行できたのでは ないでしょうか。
一方、スターパックスやネスレ、インターコンチネンタルホテル など外資系大手企業は、恐らく海外本部からプレッシャーは かけられているが、国内では9割がケージ飼育卵なので 数が確保できない状況と推測できます。
では、なぜ平飼い卵の生産は少ないのでしょうか。
それは、平飼い卵を大量生産するのは難しいからです。 ワクチンの接種、鶏の成長段階に応じて鶏舎を移動させる 場合など、平飼いでは多くの時間と労力を割きます。
そして何より従来型ケージ飼育と比較すると
単位面積当たりの生産量=収益が減るので、生産者としては なかなか踏み切れないのです。
ここまで平飼い卵の話ばかり論じてきましたが、 AWに配慮した卵は平飼い卵だけでありません。
鶏も休む時は止まり木に止まりたいし、 羽毛の汚れを防いだり、清潔に保つための 砂浴びが大好きです。また産卵する時は少し暗い ところの方が安心して卵を産めます。 このように鶏の本来の行動を満たす資材を取り付けたケージを エンリッチドケージ(写真1)と言います。
鶏の行動の自由を保ちつつ、生食可能な卵を効率的に 生産するシステムとしてエンリッチドケージ飼育も 一つの有効な方法と考えられています。
独立行政法人家畜改良センター岡崎牧場で行われた エンリッチドケージの有用性を検討した実験では、 従来型ケージ飼育より「悪癖による死亡」と「へい死率」が低く、 快適な環境下で多く発現する「羽繕い」が多く、 実験用ケージの器具調整の不足により破卵率が エンリッチドケージで高かったが、 飼料要求率や産卵率は区間に差がなく、上記の点を 改善すれば生産性は従来型のケージ飼育と 同等であることが分かったそうです。
平飼いは開放的で行動が自由なのは確かですが、 日本の生卵文化に適応し、鶏と消費者、そして生産者も 幸せな生産システムはどれなのか、深く考えていきたいですね。
*:ケージフリー卵 ケージシステムではない方法で飼育された卵。 鶏舎内の平飼いやエイビアリーシステム(写真2)、屋外の放牧など。 エンリッチドケージもケージシステムなので不可となる。 写真1、2とも「なんてこったィ!!ナチュラおじさんブログ」より引用。
]]>
放牧はイメージだけのものに?!
http://ishiipiyo.exblog.jp/28140460/
2020-06-22T12:29:00+09:00
2020-06-22T12:29:16+09:00
2020-06-22T12:29:16+09:00
ishiinohiyoko
動物福祉と環境
先週末から県境を超えての移動が可能になり、 普段の生活に戻りつつありますね。 しかしウィルスが消えたわけではないので 三密を避けることやマスクの着用など 最低限のマナーは守りたいものです。
さて今回は昨年大流行した豚熱(今年2月に豚コレラから改名)について取り上げたいと思います。 昨年9月から今年の3月まで主に中部地方の養豚場と 野性イノシシで発症し、約16万頭の豚が殺処分されたという ニュースを覚えている方も多いと思います。
豚熱はコレラ菌とは関係がなく、人に感染せず、 また万が一感染したものを人が食べたとしても、 害はないとされています。
しかし家畜伝染病予防法により、感染した家畜、 また感染していない場合でも予防的に殺処分される ことになっています。
家畜感染症予防法を守るための必要な対策として 家畜衛生管理基準が定められていますが、 豚熱の予防対策として、野生のイノシシとの接触リスクがあるという理由で「放牧制限の準備」という項目が加わる可能性がありました。一部改正後の飼養衛生管理基準案 https://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000195225
しかし、放牧の方が豚熱の感染リスクが高い という科学的根拠は示されておらず、加えて、豚熱が発症した58件の農家のうち56件が 舎飼い農家で、残り2件は2重柵を設置していなかった農家で、 加えて非加熱の飼料のなかにウィルスが混入していた可能性が 指摘されています。 今回の改訂にあたり生産者への説明や意見の収集がなかったことや世界的にアニマルウェルフェアが重視されている中で「正常行動を発現する自由」を保証する放牧を制限するのは逆行する案だとする反対意見(パブリックコメント)が 動物愛護団体のみならず、生産者、研究者、消費者から多く 寄せられたことにより、「放牧制限の準備」は撤回され 「大臣指定地域においては、放牧場について 給餌場所における防鳥ネットの設置及び 家畜を収容できる避難用の設備の確保をすること」 が明記されました。 https://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/eisei/bukai_44/attach/pdf/index-8.pdf
野生イノシシが豚に近づくとしたら主な理由は、 餌を欲しているからです。 放牧養豚に余分な餌は与えず、給餌後に餌は食べ切ったかを管理者が確認すれば警戒心の強いイノシシはわざわざ来ることはないと思います。
牛の放牧風景は牛乳のパッケージとしてよく使用されていますが、 それは消費者も放牧の飼育方式が理想的だと 思っている証拠です。
放牧がイメージだけのものにならずに済み安堵している生産者がたくさんいると思います。そういう生産者を消費者として応援したいものです。]]>
東京2020に地鶏肉と地鶏の卵を提供しよう。
http://ishiipiyo.exblog.jp/28082931/
2020-05-11T12:13:00+09:00
2020-05-11T12:43:29+09:00
2020-05-11T12:13:12+09:00
ishiinohiyoko
動物福祉と環境
緊急事態宣言が5月末まで延長され、 自粛の日々はしばらく続くことになりましたね。 普通の生活をしているだけでも不自由を感じますが 医療関係者の皆さんとそのご家族は 感染リスクに耐えながらお仕事されています。 そのおかげで医療が誰でも受けられる、そのことに感謝ですね。 「感謝をする」とオキシトシンという快適ホルモンが分泌され 免疫力アップにもつながりますよ。 さて、前置きが長くなりましたが、新型コロナウィルス 感染症の影響で一年延期になった東京2020。 その選手村で提供される食品には食料調達基準に アニマルウェルフェアへの配慮などを求めた規定(フードビジョン)が あることをご存知でしょうか。
東京2020の基準ではレベルが低くパフォーマンスに影響を与えるので、 高品質な食材を提供してほしいとの嘆願書が 9名の有力な海外五輪選手から出されています。
このフードビジョンは2012年のロンドン オリパラから始まったもので 2016年リオデジャネイロオリンパラでも継承され、 レガシーとして引き継がれています。 しかしこのままでは「日本は対応しなかった」と 負のレッテルを貼られることになります。
嘆願書では 「動物の扱いを懸念すると同時に、私は、人間のこと、 人間の健康、栄養のことも懸念しています。 アスリート人生の最高の舞台であるオリンピックには、 世界からトップクラスの選手が集まるので、 高品質の栄養素が求めれるのは当然です。 選手の食べるものが競技の結果に直結します。 最高品質の栄養が、最高の結果をもたらします。 飼育過程にストレスが含まれたグレードの低い栄養では、 それなりの結果しか出せません。」 (本文https://legacyforanimals.com/letter-jp/)
この中ではっきりとウェルフェアレベルが低いこと=低品質品と なっており、このままでは日本の畜産品は 低品質と評価されてしまうのは残念です。 今回改善の要望が出されたのは採卵鶏のケージ飼育と 妊娠豚のストール飼いです。 ロンドンオリパラのでは放牧卵か有機卵(*1)、 妊娠豚のストール飼育の禁止が実行され、 リオデジャネイロオリパラでは、 ケージフリー卵(*2)の提供と妊娠豚のストール飼いは 大手企業が自主的に取りくみ対応したようです。
今回の問題点は、嘆願書の受け取りを小池都知事とJOCが 拒否したことだと私は思います。 これは「日本はあなた方の意見に賛同するつもりはない (AWは対応できていない)」と受け取られる対応です。 嘆願書に署名しているのは1万5000人のオリンパラ選手の うちわずか9名です。
わずか9名の意見であってもダイバーシティー(多様性)を 多用していた小池知事には受け取ってもらいたかったですね。
日本にはアニマルウェルフェアに対応していると 胸を張って言える地鶏が地方の各地にいます。放し飼いで出荷日数も長く、飼育期間が長いため 後期から産卵する鶏もいます。
コロナの自粛が続く中、外食への出荷量が多い 地鶏が過剰になっているとよく耳にします。 出荷数が限られますが、地元に行けば卵も売っているし、 選手村で提供するもの100%の準備は難しいかもしれませんが
イスラム教徒用のハラルのように、選択肢として用意できるのではないでしょうか。
妊娠豚のストール飼育については改善していくことが 必要ですが、全く対応しなかったとなると 負のイメージしか残りません。
一年延期になったことで調整ができ、 9名の選手が最高のパフォーマンスができればと 切に願います。 *1:鶏に有機飼料を与えて、 屋外で放牧しながら育てながら採卵された卵。 *2:従来型・エンリッチドを含めたケージ飼育ではなく、 エイビアリーシステムなど鶏舎の中を鶏が自由に行動できる システムで生産された卵。 ]]>
https://www.excite.co.jp/
https://www.exblog.jp/
https://ssl2.excite.co.jp/