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有機農業振興フォーラム「インド・オーガニック2005」開催

 2005年11月上旬にインドのカルナタカ州バンガロールで、同国で初めての有機農産物の業界フォーラムとして「インド・オーガニック2005」が開催された。このフォーラムは、インドの有機農業支援組織である有機農産物国際競争力センター(the International Competence Center for Organic Agriculture-ICCOA)が、国際有機農業運動連盟(the International Federation of Organic Agricultural Movements-IFOAM)、インド農業・加工食品輸出振興局(Agricultural Processed Food Products Export Development Authority-APEDA)、カルナタカ州政府と共同で企画したものである。またフォーラムの開催目的は、同国の政府当局と業界の主要関係者が一体となって有機農業を振興していく道筋を付けることである。

 今回のフォーラムでIFOAMの代表者は、政府に対してインド国内の有機農家に対する補助金の支給、および現行の農業経営者向け補助金の廃止を主張した。IFOAMは、現行の補助金制度で最大の利益を得ているのは、最も補助金を必要としている小規模農家ではなく大企業であると指摘している。加えてIFOAMの代表者は、政府は農業政策の重点を小規模農家に移し、国内消費者や小規模農家のための有機農業振興策を策定すべきであると主張した。

 さらに「インド・オーガニック2005」ではもう1つの主要な議題として、有機農産物の認証問題が論議された。その中でAPEDAは、今後数ヵ月以内にインドの11の輸出用有機農産物認証機関が、欧州委員会からEUの認証機関と「同等」であるとの認定を受けるとの見通しを示した。その結果、同国の有機農産物の生産者と輸出業者は、改めてヨーロッパの有機認証機関から認証を取得する必要がなくなり、生産・輸出のコストが削減できると見られている。APEDAの代表者は、現在同局では米国や日本に対してもEUと同様の方式による有機認証機関の認定を求めており、これらの市場に対する有機農産物の輸出拡大を狙っている。

 さらにフォーラムではカルナタカ州政府当局が、州レベルでの有機農業振興策の一環として有機農業政策の策定計画を発表した。インドの州政府が有機農業に特化した政策を策定するのは今回が初めてとなる。この政策案に基づいて同州政府は、有機農業の利点を実地に示すため州内の13地区で40ヘクタールの農地を確保して、有機農業と土壌の質に関する情報の周知に努める方針である。

 業界アナリストは、インドには有機農産物の潜在的消費者が2億人存在するほか、世界の有機産業の市場規模は300億ドルに達するとしており、同国の有機農業界には大きな機会が広がっていると指摘している。

(出所:農林水産省 海外農業情報
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by ishiinohiyoko | 2005-11-24 09:42 | 動物福祉と環境

ブラジルにおける遺伝子組み換え大豆を巡る最近の動向

 ブラジルでは南部のリオ・グランデ・ド・スル州を中心に遺伝子組み換え大豆(GM大豆)が生産されているが、その生産が条件付で合法化されたのは、2003年3月26日付暫定措置令第113号(2003年6月13日第10,688号として正式法令化)が定められた以降である。同法令は当該年度内に収穫されるGM大豆の生産・流通を期限付きで認めるものであったが、翌年も同様の暫定措置令を制定することで、事実上、ブラジルのGM大豆の栽培は認められてきた。ブラジルにおけるGM大豆の生産は、もともとルーラ大統領が2003年1月に就任するにあたり、南部の農家を中心に生産が解禁されるとの予想で見切り発車的に拡大したものである。ところが、最終的に政府が遺伝子組み換え農産物に関する規則を定めたのは、2005年3月24日付法令11,105号(通称:バイオ安全保障法(Lei de Bioseguranca))であり、政権発足後2年以上が経過したのちのことだ。
 

[次年度の生産に向け証明付き大豆種子が不足]

 ただし、このバイオ安全保障法が制定された以降、その細則の未整備や現実問題への対応で次年度産大豆の栽培については依然として不安が残っている。2005年度産大豆については、2004年10月21日付法令5,250号により2006年1月末までの栽培・流通が認められている。それ以降についてはバイオ安全保障法に定められるところであるが、同法で中核機関に定められた、科学技術省傘下のCNT-Bioの活動も細則が整備されるまでは制限されている状況だ。現実問題への対応という面では、既存の法令5,250号とバイオ安全保障法によりGM大豆の栽培にあたり条件づけられた、政府による証明付き大豆種子の使用の問題があげられる。GM大豆の生産の割合が最も高いリオ・グランデ・ド・スル州では、この証明付きの種子の供給量が不足している。そのため連邦政府は2005年9月6日付法令5,534号により、同州についてのみ本来は破棄するべき自家使用に供する大豆種子、つまり政府が証明していない種子を使用した2006年度GM大豆栽培を認めた。農務省のガブリエル・アルベス・マシエル農畜産防疫局長によれば、リオ・グランデ・ド・スル州が保有する証明付き大豆種子の数量は、遺伝子組み換えでない従来種のものが100万俵(1俵=40キロ)、遺伝子組み換えの大豆種子が60万俵で、同州で必要とする種子量の10%程度という。同州では、もともとは多くの大豆が非合法下でGM大豆種子により栽培されてきたこともあって、新たな証明付き種子の需要量自体が大きい。今回の措置は、州内の証明付き種子の供給量が十分な水準になるまでの経過的措置とされ、2007年度産大豆の栽培期には証明付き種子での栽培になることが見込まれる。

 なお、ブラジルで栽培されるGM大豆種子については、モンサント社が開発したラウンドアップ・レディが代表的だ。ブラジルで同種子を栽培に使用する生産者は、技術使用料をモンサント社に支払わなければならない。2006年度産用GM大豆種子の最終的な技術使用料は判明していないが、8月時点で1キロの種子に対して0.88レアル(1ドル=2.3レアル)となっている。しかし、前年度の収穫で得られた多量の種子を大豆生産者が保有しているリオ・グランデ・ド・スル州では、モンサント社の種子を生産・販売する企業の判断で、大豆生産者に対する使用料を割引するとみられる。 

 国際的な農業技術関連団体ISAAAの推計によれば、2004年のブラジルのGM大豆栽培面積は500万ヘクタールと、2003年の300万ヘクタールから大幅に増加している。法令の整備が進んだことで、さらなる栽培面積拡大が予想される。同推計によれば、GM農産物の国別栽培面積について、米国4,760万ヘクタール、アルゼンチン1,620万ヘクタール、カナダ540万ヘクタールと、ブラジルは世界第4位のGM農産物生産国に位置づけられる。

(出所:農林水産省 海外農業情報
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by ishiinohiyoko | 2005-11-02 09:57 | 動物福祉と環境

韓国、有機表示の信頼性に関する問題

 2001年に韓国政府は、有機農産物の国内生産促進に関する法律を成立させた。この法律は国内の有機農産物需要増大に対応し、輸入有機農産物に対する国内産の優位を確立することを目的に策定されたものである。ただし、現在までのところ、業界観測筋は、韓国では輸入品と国内産の有機農産物についての認証や表示制度が未熟で、消費者は健康への影響や安全性に不安を抱いていると指摘する。

 現在、韓国では有機農産物は一般的に「環境に優しい農産物」と位置付けられており、4つのカテゴリーに分類されている。このうち第1レベルは100%有機農産物であり、3年以上にわたって農薬や化学肥料を全く使用していないとの認証を受けた農場で栽培された農産物である。第2レベルは「有機移行期農産物」であり、1年以上にわたって化学肥料や農薬を使用していない農場で栽培された果実や野菜のことである。第3レベルは「無農薬農産物」であり、化学肥料は使用するが農薬は使用しない農場で栽培された農産物である。第4レベルは「低農薬農産物」であり、農薬、化学肥料とも使用するが、収穫期の農薬使用を抑えた農産物である。

 現在、韓国では様々な消費者団体が、市販の有機農産物に対する政府の表示制度は不十分であるとの懸念を表明している。これらの消費者団体によると、同国の小売店ではしばしば全てのレベルの有機農産物が同列に並べられているため、消費者は自分の購入した製品が100%有機農産物でないことに気付かない場合も多いとされている。実際に2003年の韓国における「環境に優しい農産物」の生産量36万トンのうち、100%有機農産物はわずか9%に過ぎず、60%近くが第4レベルの有機農産物に分類されると国立農産物品質管理院(the National Agricultural Products Quality Management Service―NAQS)は指摘する。

 また別の業界団体は、同国に輸入される有機農産物の多くが綿密な検査を受けていない点に懸念を表明しており、韓国の有機認証制度は米国や英国の制度に比べて未熟であると述べている。一方で業界観測筋は、韓国の有機認証基準は概ね世界的に受け容れられているにもかかわらず、同国で有機認証された農産物の多くが輸出できないという問題を指摘している。

 このような国内業界の懸念を払拭し、韓国産有機農産物のイメージを変えるため、政府当局は国際有機農業運動連盟(the International Federation of Organic Agricultural Movements―IFOAM)と共同で、輸入有機農産物に対するさらに厳格な検査制度の創設と輸出用有機農産物の検査制度の改善に取り組んでいる。

(出所:農林水産省 海外農業情報
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by ishiinohiyoko | 2005-11-02 09:30 | 動物福祉と環境

中国、新品種のGM綿花を政府が承認

 9月中国は、新たな交雑種の遺伝子組み換え(GM)綿花の商業使用を承認した。今回承認されたGM綿花は、一般的な病害虫に対する耐性と生産量の増加を両立できる初めての品種と見られており、バイオテクノロジー業界における画期的な業績と評価されている。業界アナリストは、新品種の導入は、近年中国の綿製品業界が直面している困難な課題の軽減につながると期待している。

詳細は:農林水産省 海外農業情報
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by ishiinohiyoko | 2005-11-01 14:11