GWも明けましたが、いかがお過ごしでしょうか。
今月は、World Poultryで掲載されたニュースを紹介します。
イギリスのグラスゴー大学のDorothy McKeegan博士は、
食鳥処理場での低気圧スタンニング(low atmospheric pressure stunning:
LAPS)が鶏のウェルフェアを改善する成果を発表しました。
世界的には、電気スタンニングが主に使用されていますが、
鶏をフックに掛ける「懸鳥」時のストレスや効果にばらつきがあることから
EUでは電気スタンニングの使用が縮小される規制につながる可能性があるとされ、
本調査が行われました。
<実験概要>
LAPSにかけた28羽の鶏の心電図と脳電図を遠隔測定法により測定されました。
脳電図の分析により、LAPSにかけてから40秒で意識が失われると算出されました。
理由は、LAPSにかけてから10秒間は脳内のデルタ波の活動が増加し徐々に意識が、
失われ、30秒後にデルタ波の活動はピークに達し、その時点で脳電図シグナルは
外科的に麻痺状態になっていることを明らかにされました。
また、心電図の分析により、LAPSをかけてから心拍は一貫して減少し、
鶏の意識が回復したり心拍が増加する事例は全くなかった、としている。
これらの結果から、Dorothy McKeegan博士は、
「この科学的データは、LAPSにかけることで鶏を苦しませることはないということを
強く提示している」また、「この結果は、LAPSが屠殺前のスタンニング法として
効果的かつ人道的な代替手段となることを示している」としている。
この記事の詳細な、内容は下記のとおりです。
Poultry Science,
“Physiological Responses to Low Atmospheric Stunning and the Implications for Welfare”
(D. E. F. McKeegan et al; 2013 Poultry Science 92 :858–868).