新年明けましておめでとうございます。
昨年は東北大学への寄附講座開設や川渡農場でのシンポジウムと
家畜福祉が学問から産業へと進化の一歩を踏み出したように思います。
さて、昨年の大きなニュースといえば、アメリカで端を切った不況が世界を
揺るがしました。
その中で行われたアメリカ大統領選挙は民主党オバマ氏が当選を果たし、
今までとは違う、新しい社会、新しい政治への国民の期待が導いた結果のような気がします。
オバマ氏が掲げたのは、”Change"という言葉。
流行語大賞とはいかずとも、ドラマの名前であったこともあり、人々に大きな印象を残しました。
経済性・効率のよさを追及して発展してきた畜産業も、ここにきて大きなChange=
変革の時期を迎えています。というのも、一国の元首を決めるアメリカ大統領選挙と同時に
カルフォルニア州では「家畜虐待防止法」制定に関する住民投票が行われたのです。
その内容は「農用家畜を不自由なく回転でき、横になれ、立ち上がれ、四肢を十分に
伸ばせないような方法で拘束することを禁止する」というものでした。
結果は、可決。
このようなアメリカや家畜福祉先進国のEUに対応しようと、
国内でも「快適性に配慮した家畜の飼養管理に関する検討会」が
開かれており、2010年には飼養管理のガイドライン策定の予定です。
口蹄疫、BES、高病性インフルエンザと、生産現場に深刻な問題が発生しています。
目先の利益に問われず、今まで違う、全く新しい視点で畜産=
食生産を持続的可能にするために、必要なのが家畜福祉であると
感じました。
家畜福祉の発展と皆様のご活躍を心よりお祈り申し上げます☆